〜ミニマル インターベンションの考え〜
ミニマル インターベンション(最小介入)とは、できるだけ最小の侵襲で治療を行うことです。医科の分野では内視鏡治療などがこれにあたります。歯科補綴の領域ではできるだけ歯を削らずに治療をすることがこれにあたるとされています。
現在日本では保険でひととおりの歯の治療は可能ですが、よりきれいに、より丈夫に、より生体親和性を高く、より快適に、といった付加価値をつけたものが保険外診療であるといえます。
当院では保険治療でも快適にお使いいただける工夫をしております。しかしながらより快適に、安全にお使いいただけるよう様々な保険外診療も行っておりますのでお気軽にご相談ください。
クラウン比較表
クラウンとは、比較的軽度のう蝕(虫歯)や歯の劣化に対して行なう治療(詰め物や歯周病基本治療)では本来の機能が回復できないと判断した場合に選択するもので、歯に金属などを被せて保護する治療のことです。
審美性 | 強度 | 変色 | 費用 | |
ジルコニアセラミッククラウン | ◎ | ◎ | なし | 100,000円 (5年間メーカー保証有り) |
メタルボンドクラウン | ○ | ◎ | なし | 80,000円 |
ハイブリットセラミッククラウン | ◎ | ○ | なし | 60,000円 |
硬質レジン前装冠 | △ | ◎ | △ |
保険適用は前歯のみ 奥歯については30,000円 |
ジルコニアセラミッククラウン
ジルコニアセラミッククラウンとは?
ジルコニアセラミッククラウンは、メタルボンドの内面の金属の代わりに、ジルコニアを使用したものです。
金属を一切使用しないため、金属が溶け出すことによる歯ぐきの変色、金属アレルギーなどの心配が無く、強度も強いので、奥歯やブリッジに使用することも可能です。
また、審美的にかなり綺麗で、土台の金属(コア)の色が透けるのを防ぐ「マスキング効果」が優れているため、ケースによってはご自身の歯よりも審美的に仕上げることができます。
ジルコニアセラミッククラウンのメリット
色が歯に似ているので見た目が良い。
マスキング効果に優れているため、土台の金属が透けて見えない。
ジルコニアは割れにくく、ほとんどの部位に使用できる。
金属を一切使用しないので、金属が溶け出すことによる歯ぐきの変色、金属アレルギーなどの心配がない。
仮止めで様子を見ることができる。
(他のセラミッククラウンは基本的に仮止めができません)
ジルコニアセラミッククラウンのデメリット
保険外の治療なので、値段が高い。
天然の歯より硬いため、正しく咬み合わせの調整をしないと痛みが出ることがある。
ジルコニア自体が割れることは非常にまれだが、ジルコニアを覆っているセラミック(陶器)の一部が欠けることがある。
メタルボンド(陶材焼付鋳造冠)
メタルボンド(陶材焼付鋳造冠)とは?
メタルボンド冠とは中身は金属で、外から見える部分にのみセラミック(陶器)を貼り付けたクラウン(被せ物、差し歯)です。(陶材焼付鋳造冠とも呼ばれます)
見た目が良く変色せず、強度も強いので非常によく使用されます。
さらに、中の金属に貴金属を使用すれば、金属が溶け出すことによる歯ぐきの変色、金属アレルギーなどが起こる可能性を低くすることも出来ます(当院では、金属アレルギーのない独ヘレウス社のバイオメタルを使用しています)。
メタルボンドのメリット
色が歯に似ているので見た目が良い。
中身が金属なので割れにくく、ほとんどの部位に使用できる。
中身の金属に貴金属を使用すれば、金属が溶け出すことによる歯ぐきの変色、金属アレルギーなどが起こる可能性が低くなる。
メタルボンドのデメリット
中身の金属の種類によっては、金属が溶け出すことによる歯ぐきの変色、金属アレルギーなどを引き起こす可能性もある。(銀やニッケルクロムなどの卑金属の含有量が高い場合)
色調はオールセラミッククラウンに劣る。
将来的に歯茎が下がって、歯と歯茎の境目が見えてくることがある。
保険外の治療なので、値段が高い。
ハイブリッドセラミッククラウン
ハイブリッドセラミッククラウンとは?
ハイブリッドセラミッククラウンとは、ハイブリッドセラミック(陶器)材料で作られたクラウン(差し歯)です。
ジルコニアセラミック冠よりもやわらかく、周囲の歯にダメージを与えにくいというメリットがありますが、強度は多少劣ります。
ハイブリッドセラミッククラウンのメリット
色が歯に似ているので見た目が良い。
硬すぎないので、周囲の歯や噛み合う歯を痛めることがない。
金属を使用しないので、金属の溶け出しによる歯や歯ぐきの変色、金属アレルギーなどが起こる可能性がない。
ハイブリッドセラミッククラウンのデメリット
強度はジルコニアセラミッククラウンに多少劣る。
欠けることがあるので、奥歯など噛み合わせの状態によっては使用できないことがある。
保険外の治療なので、値段が高い。
硬質レジン前装冠
硬質レジン前装冠とは?
硬質レジン前装冠とは、中身は金属(金銀パラジウム合金など)で、外から見える部分にのみレジン(プラスチック)が貼り付けられているクラウン(差し歯)です。
保険で前歯のクラウンを作る場合には、ほとんどの場合この硬質レジン前装冠になります。
保険適応なので治療費が安いというメリットがありますが、この「レジン」というのはいわゆる「プラスチック」なので、時間が経つと段々変色してくるというデメリットがあります。
(プラスチックの湯飲みは茶渋で変色しやすく、汚れが落ちにくいことと同じです。)
硬質レジン前装冠のメリット
色が歯に似ているので見た目が良い。
中身が金属なので強度が強く、ほとんどの部位に使用できる。
保険適応なので安価。
硬質レジン前装冠のデメリット
時間が経つと変色する。(見た目が悪くなってくる)
裏側から金属が見える。
時間が経つと金属が溶け出し、歯や歯ぐきの変色、金属アレルギーなどを引き起こす可能性がある。
保険の適応範囲は前歯・犬歯のみで、奥歯には適応されない。